バラの欠点を補うオベリスクの使い方!仕立てに困るバラこそオベリスクで
一般的な家庭用のオベリスクとして使われているのはこんな感じの小型のオベリスク。こういうオベリスクにバラを仕立てる場合は、枝の伸びが2m程度であまり伸びすぎないミニつるバラやシュラブローズがぴったりです。
また、小型のオベリスクは内径が小さいので、枝が細くてしなやかな品種のほうが誘引作業のときに扱いやすくおすすめ。オベリスクがデザイン性の高いものだったりオベリスク自体の美しさを見せながら表現したい場合などは花枝が短い品種にするとオベリスクの形状がはっきり現れやすくなります。
こんなふうに小型のオベリスクに仕立てるのに適しているバラはオベリスクにしっかり収まるサイズ感のバラで、枝がしなやかで細かな誘引に耐えられる品種がいいとされています。でも、我が家ではちょっと違う意味合いでオベリスクを使用しているんです。
今日はオベリスクにバラを仕立てるならどんな品種がいいのかについて「こんな考え方もありですよ~!」ということをちょっと違った視点からお話ししたいと思います。
我が家にはオベリスク仕立てのバラが1つだけあります。品種はローズポンパドゥール。わたしが大好きなフランスの老舗バラナーセリー、デルバールのフレンチローズです。
ローズポンパドゥール
- 品種名 ローズ ポンパドゥール(Rose Pompadour)
- 系統 S シュラブ
- 作出年 2009年
- 作出国 フランス
- 作出者 Arnaud Delbard
- 花色 ラベンダーピンク
- 花径 大輪
- 香り 強香
- 開花性 四季咲き
- 樹形 シュラブ
- 樹高 1.5m
- 樹勢 強い
このローズポンパドゥール、こんなふうに高さ160cmぐらいのオベリスクに仕立てているのですが、これがどうも正解だったみたいです。 ほら、ローズポンパドゥールって花びらがギュギュッと密につまった大輪バラなので、お顔がずっしり重いんですよね。それで花が大きくて重いわりに花首が細くて華奢なんですよね。たとえは良くないですが、頭でっかちのエイリアンみたいな。なので、写真のようにうなだれて咲く品種なんですよ。水切れしてるとかそういうんじゃなくて、ね。
こういうタイプの下向きに咲くバラって、花首が細いために強い風が吹くとポッキリ折れてしまうことも多くて。かと言って風の影響を受けない下のほうで咲かせようとしてもお顔が下向きなので頭を垂れている姿しか見えなくなってしまう…。「ローズポンパドゥール、どうやって仕立てよう??」って思っていたんですよね。そんなふうに困っていたときに、ふと「小型のオベリスクはどうだろう!?」って思ったわけです。
そして実際に仕立ててみたら、これが大正解!咲かせる高さもちょうどよく調節できて強い風にもびくともしないぐらい丈夫な仕立てになったんです。ローズポンパドゥールは枝が細いわけでもしなやかなわけでもなく、小型のオベリスクに仕立てるバラの一般条件から外れてはいます。花枝も長いですしね。
でも、ローズポンパドゥールの困ったところとも言える“うなだれ咲き”をしっかり支えてくれて、なおかつ全体のバランスをよく見せてくれるオベリスク仕立ては意外にもぴったりの仕立て方だったんですよ。枝が柔らかくない分、誘引は思うようにはいきませんが、支柱の意味で使っているのでその苦労も全然OKです。
こんなふうに、オベリスク仕立ての条件からは外れているバラでもその欠点を補うように仕立てることができれば大成功なんです。オベリスクに限らず、いろいろな仕立て方を試行錯誤してみるのも面白いかもしれませんね(^^)