バラの新苗を摘蕾するときのポイント!ソフトピンチとハードピンチの違いについて
つるバラのように新苗から育てていても1年目には咲かないバラの場合、そのまま放っておいても枝や葉が充実するので枝先を摘み取る「摘心」の作業は必要ないのですが、四季咲きバラの場合は株の充実を図るために付いたつぼみを摘み取る「摘蕾」の作業を行ったほうが良いとされています。
この摘蕾のやり方についてですが、つぼみをただ摘み取るのではなくやり方にポイントがあるのはご存じでしょうか?摘蕾の方法としてソフトピンチとハードピンチという2種類のやり方があるので、今回はその違いについてもまとめてみたいと思います。
バラの新苗、摘蕾するのは何のため??
四季咲きバラで特に花付きの良い品種は、新苗であっても次から次へとつぼみを上げてきます。細い1本の枝の先に初めて咲いたバラは姿形がとても良いと言われているので、つぼみが付いたら最初の花だけは咲かせてみようかな?と思う方もいるのではないでしょうか。
ですが、初めての花がとてもきれいだったのでそれ以降もつぼみが付いたら咲かせるということを繰り返していると、株の成長は著しくスローになります。枝や葉など株を充実させることよりも花を咲かせることに体力を使ってしまうので株自体の成長が遅くなってしまうんですね。
そこで大切な作業が「摘蕾」というつぼみを摘み取る作業です。
つるバラや一季咲きのバラと違い、四季咲きバラは常にバラの花を咲かせることに全集中しているため、どうしても成長が遅れがち。まだ体力のない1年生苗である新苗を大きく丈夫に育てるには、枝の数を増やして葉をたくさん付けてもらわなければなりません。株が充実すればおのずと病気に強くなり、ひいてはたくさんの美しいバラの花を楽しむことにつながっていくのです。
バラの新苗を摘蕾するときのポイント
バラの新苗につぼみが上がってきたとき、つぼみを摘み取るかそのまま花を咲かせるは完全に自由だと思いますが、もし摘蕾する場合は次のようなポイントを押さえておくといいかもしれません。
①つぼみの下の葉を数枚つけて摘蕾する
バラの新苗を摘蕾するときは、つぼみだけではなくその下の葉も2~3枚くらい一緒に摘み取るようにします。つぼみからすぐ下の段を1段分くらいなかったことにするイメージでしょうか。
先端部が摘み取られた枝は葉の付け根から新たに枝を伸ばそうとします。次の枝はさらに伸びて樹高が高くなり、株が充実していくのです。
②手で摘み取れるうちに摘蕾する
新苗に上がってきたつぼみを摘み取るときは、基本的にハサミは使わず手で摘み取るようにします。爪を立てないように気をつけながら指先で挟んで摘み取るのが正しいやり方です。
逆に言えば、新苗のつぼみは手で摘み取れるうちに摘蕾するのがポイントと言えます。つぼみが上がってから時間が経てば経つほど枝が硬くなっていくので、あまり長く放置しておくと手では簡単に摘み取れなくなってしまいます。ハサミで切らなければならないくらい硬くなってしまっていたら摘蕾の時期としては遅いと言われているので、こまめなチェックが重要です。
ソフトピンチとハードピンチの違いについて
摘蕾だけでなくシュートの管理や開花の調整などでも「ピンチ(摘心)」の作業を行いますが、そのときにハサミを使うか使わないかで呼び方に違いがあります。
バラの枝が硬くなってからピンチをする場合は、もはや手で摘み取ることは不可能なのでハサミを使用することになります。これがハードピンチです。反対にバラの枝が柔らかいうちにピンチをする場合は手で摘み取ることができ、その作業はソフトピンチと呼ばれています。バラ栽培の現場では用語の使い分けがされているようです。
枝が若く再生能力が高いうちに行われるソフトピンチはバラにとっても負担が軽いもので、手で摘み取られた跡はそのうちほとんど目立たなくなっていきます。摘蕾すると決めている場合はなるべく枝が柔らかいうちにハサミを使わずソフトピンチすることを心がけるといいですね。