【ダンボールマルチのやり方全工程】お金をかけずにダンボールで雑草対策する方法

庭をもっている人なら誰でも一度は悩まされたことがあるであろう、雑草問題。刈っても刈っても、抜いても抜いても生えてくる雑草に頭を悩ませている人は多いでしょう。もちろんわたしもその一人で、できるだけ除草の回数を減らしたいと思っています。
雑草対策として広く知られているのは、防草シートでマルチングをする方法ですが、防草シートって庭の一部ならまだしも、広い面積をカバーしようと思ったら金銭的に結構な出費ですよね。たかが雑草、されど雑草なんですが、その雑草に大切なお金をかけるのはなんとも腹立たしいというか…。
そこで、できるだけお金がかからない雑草対策として何か方法はないか、いろいろ探してみたら見つけたんです。「ダンボールマルチ」という方法を!
この記事では、草ボーボーで困っていた庭の一部にダンボールマルチをしてみた全容を動画付きでご紹介します。ダンボールマルチのやり方に興味がある方は、ぜひ最後までご覧くださいね。
ダンボールマルチとは?その概要と特徴まとめ

ダンボールマルチについて調べていてこの記事にたどり着いた方には、もう説明する必要はないかもしれませんが、「ダンボールマルチって一体なに?」という方のために、まずはその概要や特徴についてまとめます。
ポール・スミザー氏提唱!自然素材を使ったナチュラルな防草マルチング
ダンボールマルチとは、ダンボールを活用して地面を覆う(マルチングする)ことで、雑草を防止しながら環境に優しい庭づくりや農作業を実現する方法です。ダンボールを地面に敷き詰めることで、雑草の発芽や成長を物理的に防ぐ仕組みとなっています。
この方法は、ナチュラルガーデンの取り組みを推奨しているランドスケープデザイナー、ポール・スミザー氏の提唱により知られるようになりました。
ダンボールマルチの上にウッドチップを敷くことで、さらに固定力が高まり、見た目にも自然な仕上がりになります。
環境にも財布にも優しい!ダンボールマルチはエコで経済的な雑草対策
ダンボールマルチは、防草シートと同様に雑草防止を目的とした防草マルチングですが、ダンボールという自然素材を利用する点が大きな特徴です。雑草対策のためのマルチング材に自然素材であるダンボールを使用することで、大きな環境負荷を避けることができるとして注目を集めています。
ネットショッピングなどの利用で手に入れることが多いダンボールですが、普段なら雑紙としてリサイクルに出すダンボールを防草シートの代わりに活用できるのなら願ったり叶ったりですよね。
ダンボールマルチと防草シートの違いは?防草シートの代わりになる?
防草シートは多くの場合、不織布など土に還らない素材でできていることが多いようです。不織布の主成分であるプラスチックは、微小な粒子「マイクロプラスチック」に分解されて、土壌汚染を引き起こす可能性があります。これらが水中にまで流れ出ると、水中生物が有害物質を摂取する恐れもあるのです。
ダンボールマルチは、プラスチック製品を使わずサステナブルな選択をしたい方に適した方法といえます。
知らないと損する!ダンボールマルチのメリット

ダンボールマルチは、費用を抑えつつ手軽に実践できるエコな雑草対策として注目されています。
次は、知っておきたいダンボールマルチのメリットについてご紹介します。
①雑草対策に役立つ仕組みと防草効果がある
ダンボールマルチは、雑草の発生を抑制する防草効果が高いのが特徴です。ダンボールを敷くことで、雑草が育たない環境を作ります。
ダンボールという厚みのある構造が雑草の成長に必要な光を遮り、雑草の発芽や成長を物理的に抑制する効果が期待できます。ダンボールマルチの下にある種は発芽できず、ダンボールマルチの上に落ちた種も根を張ることができません。地表に発芽するはずの雑草が成長できなくなるのです。
②低コストで経済的に雑草対策ができる
ダンボールマルチは、コストを抑えながら雑草対策が行える点が最大のメリットです。梱包材として使われたダンボールを再利用できるため、特別な資材を購入する必要がありません。
また、自治体や企業が廃材として無料で提供している場合や、スーパーなどのお店で手に入れられる場合もあり、エコな雑草対策を低予算で始めることが可能です。防草シートよりも圧倒的にコストパフォーマンスに優れている点が大きなメリットといえるでしょう。
③環境に優しく自然に還る素材である
ダンボールマルチの大きなメリットのひとつは、いずれ自然に還る素材だということです。
ダンボールマルチが土に還る理由は、その素材にあります。ダンボールは木材をもとにしたセルロース繊維で構成されており、微生物が分解しやすいという性質を持っているのです。
土に密着させて使用することで微生物の活動が促され、時間の経過とともにダンボールが自然に分解されていきます。
④雑草抑制だけでなく土壌改良効果がある
ダンボールマルチは、徐々に分解されて土に還る過程で微生物の活動を促進するため、土壌環境を改善する効果が期待できます。ダンボールが水分を保持しやすい環境を作り出し、分解過程で得られる有機物が微生物の栄養となることで土壌改良につながるのです。
結果として地力が向上し、より健康的な植物の成長につながります。
⑤作業が手軽でDIY初心者でも取り入れやすい
ダンボールマルチは、取り扱いやすさと作業の手軽さでも人気があります。地面を整地し、ダンボールを並べるだけの簡単な工程で作業が進むため、DIY初心者でも取り入れやすいです。
防草シートのように長さを測ったり、固定したりする作業が不要で、特別な道具や高額な資材を必要としません。また、軽量なダンボールは持ち運びが容易なため、一人でも作業が可能なこともメリットのひとつです。
ダンボールマルチは、その手間の少なさから庭や小規模な畑でも幅広く採用されています。
やってみたいけど気になる…ダンボールマルチのデメリット

長期的に防草効果が期待できる防草シートと違い、短期的ですが環境に優しく雑草対策ができるダンボールマルチ。ですが、気になるのはダンボールマルチのデメリットですよね。
ここからは、ダンボールマルチを行うときに注意したいデメリットをお伝えしていきます。
①防草効果が期待できる期間が短い
ダンボールマルチと防草シートには大きな違いがあります。防草シートは長期間にわたって雑草を防ぐことを目的としていますが、ダンボールマルチは防草シートほど長期間にわたって雑草を防ぐことはできません。ですが、短期間でもいいから安心安全に防草シートの代わりにしたいという方にはおすすめです。
②虫やシロアリが発生する可能性がある
ダンボールマルチは雑草対策として非常に有効ですが、土に還るまでの過程で虫やシロアリが発生するリスクがあります。ダンボールは湿度を保つ性質があるため、ムカデやナメクジ、シロアリなど湿気を好む害虫が集まりやすいのです。特に木材の切り株近くや湿度の高い場所では、害虫の発生が顕著になる傾向があるため、注意が必要です。ダンボールを敷いた上にウッドチップを併用するなどの対策を検討するのが良いでしょう。
③インクや加工が悪影響を及ぼす可能性がある
ダンボールマルチは時間とともに分解され、土壌の一部になりますが、その過程でダンボールに使用されているインクやコーティングなどの加工が植物や土壌の微生物環境に悪影響を及ぼす可能性があります。また、ダンボールが完全に分解されるまでには半年から1年以上かかることが多く、その間に土壌の通気性が一時的に悪化することも考えられます。そのため、未加工でインクが少ないダンボールを選ぶことが重要です。
④雨や湿気による劣化と見た目の問題
梅雨時期など雨や湿気が多い季節には、ダンボールが吸水してしまい、ボロボロに崩れることがあります。その結果、見た目が悪くなり、庭や畑の景観を損ねる場合があります。また、劣化したダンボールが雨風で飛ばされてしまう可能性もあり、ただ並べただけでは維持しにくい点がデメリットです。このような状況を防ぐには、ウッドチップを上から敷いたり、ダンボールをしっかり固定する工夫が求められます。
実践!ダンボールマルチで雑草対策を行う方法とやり方の手順
ダンボールマルチの概要や特徴、メリット・デメリットが分かったところで、ここからはいよいよ実際にダンボールマルチで雑草対策を行う方法とやり方の手順を解説してきます。
ダンボールの準備と選び方のポイント

ダンボールマルチを実践する際には、いくつか注意点があります。ダンボールマルチを成功させるには、使用するダンボールの選び方が重要です。まず、使用するダンボールが必ず「土に還る素材」であることを確認しましょう。
防水加工が施されていて表面に光沢のあるものや、印刷用のインクが多用されているものは、分解に時間がかかったり、土壌への影響が懸念されたりします。そのため、ダンボールを準備するときは、ツルツルとしたコーティング加工のないものや、インクが多用されている印刷面が少ないものを選ぶようにしてください。できれば、茶色で無地のダンボールを選ぶのがおすすめです。
また、ダンボールに付いているテープやシール、ホチキスは完全に取り除いてください。これらの素材は分解されず土に還らないため、環境に悪影響を与えるだけでなく、害虫の発生原因になる場合もあります。準備したダンボールは、必要に応じて形状やサイズを調整し、敷き詰めやすいようにしておくと便利です。
ダンボールを並べる前の準備

ダンボールマルチは雑草の上でも効果を発揮します。ダンボールで地面をまるまる覆うことで、既存の小さな雑草は自然に分解されます。とはいえ、あまりにも雑草が生い茂っている場所ではダンボールが敷きづらく、敷いても地面から浮いてしまうことがあるため、ダンボールを並べる前に枯れた草や背の高い雑草を除去するのがおすすめです。
まず、ダンボールマルチを行いたい場所に存在する大きくて目立つ雑草を取り除き、できるだけ地面のデコボコがなくなるように軽く整地しましょう。この作業によってダンボールの安定性を保ち、雑草の再成長を防ぐことができます。
ダンボールの並べ方と注意点

ダンボールを並べる際は、隙間が残らないように重ねて敷き詰めます。隙間があるとそこから雑草が成長する可能性があるため、重ね合わせる形で丁寧に配置しましょう。重ね方に注意することで隙間から雑草が生えるリスクを減らせます。ダンボールを地面に密着させることが重要で、空気が入らない状態を作ることで、雑草が成長する余地を与えません。
また、ダンボールをより地面に密着させるため、水をかけて湿らせる方法が効果的です。この作業によってダンボールが柔らかくなり、土との密着度が上がるため雑草をしっかり抑えられます。ポール・スミザー氏は、ダンボールを水で濡らしてしっかり湿らせた後に並べているようです。
堆肥やウッドチップとの併用方法

最後に、ダンボールマルチの効果をより高める方法として挙げられるのが、堆肥やウッドチップとの併用です。ダンボールを敷いた後、その上に堆肥やウッドチップを均一に撒くことで、有機物としての土壌改良効果が期待できます。微生物の活動が活発になるため、ダンボールの分解が進みやすくなり、土壌が柔らかく肥沃になります。また、重石代わりに堆肥やウッドチップを載せることでダンボールが風で飛んでしまうことも防ぐことが可能です。
さらに、堆肥やウッドチップを重ねることで見た目が自然に仕上がるだけでなく、ダンボールへ直射日光が当たることを防ぐ役割も果たします。これはダンボールの劣化を防ぎ、長期間にわたって雑草防止効果を保つために効果的です。ダンボールマルチを敷設した後は、定期的に状態を確認し、必要に応じて堆肥やウッドチップを追加することで、効果を長く持続させることができます。
▼【防草革命】できるだけお金かけずに雑草を防ぐ
ダンボールマルチ全工程をショート動画にまとめたので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
まとめ
ダンボールマルチは、費用を抑えつつ手軽に実行できるエコな雑草対策として、ますます注目されています。特に近年、環境に配慮した活動や持続可能な取り組みが求められるなかで、ポール・スミザー氏が提唱するダンボールマルチは、自然素材を利用した方法として非常に高く評価されています。雑草に悩まされている方は、ぜひサステナブルな選択肢としてダンボールマルチを取り入れてみてはいかがでしょうか。
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