【3月のつるバラ作業】芽出し肥の施肥と病害虫防除スタート!
3月なのになぜどんぐり??と思われた方は強引な例えのくだりを読んでいただければ分かるかと(笑)。2月も今日で終わり、もう明日から3月です。30歳を過ぎてから1日1日があっという間で、日々さまざまなことに追われてバタバタし時間だけが過ぎ去っていく感じです。
今回は「3月のつるバラ作業」ということで3月に行っていく(行っていきたい)つるバラの作業についてザッとまとめてみようと思います。
つるバラを見てみると、もうほとんどの株の芽がぷっくりと大きくなってきています。これがしだいに伸びていき小さな葉を見せるようになると、 いよいよつるバラの本格的な活動開始!の合図です。3月の主なつるバラ作業としてはつぎの2点が挙げられます。
- 芽出し肥を与える。
- 薬剤散布による病害虫の防除を始める。
芽出し肥の施肥
芽出し肥というのは芽の伸びを促進させる目的で与える速効性の化成肥料のこと。3月の上旬から中旬にかけて、つるバラ1株あたり手に一握り分の化成肥料を株の周りに円を描くように施します。化成肥料の代わりに液体肥料を与えるのも効果的。1年の活動のスタートとなる3月にしっかりと栄養を補ってあげることで、その後の生育スピードに格段の差がつきます。
人間の場合でも、朝ごはんが1日の活力源として大切なものであることは周知の事実ですよね。それはつるバラにとっても同じことで、「さあ、これから1年元気に活動してキレイな花を咲かせよう!」という状態のときにその勢いをちょっと後押ししてあげるようなエネルギーがあったらどんどん良い方向に活性化していきます。
そう言えば、“芽出し”で思い出すのは『となりのトトロ』でどんぐりの芽が出たシーン。あれだって、トトロが何かを念じて芽出し肥のような役割をしてくれたことで翌日どんぐりの可愛らしい芽が出ていたんですよね。(かなり強引な例えではありますが…)
つるバラに限らず、植物が芽を出すときっていうのはかなりのエネルギーを消耗する大仕事らしいです。新芽は言ってみれば赤ちゃんのようなもので、芽出しは赤ちゃんを産み出すのと同じぐらい大変なことなんだそう。わたしも2度の出産のときに芽出し肥、いや、食事をしっかりとって備えたものです。
冬の寒肥には緩効性の有機質肥料を与えたわけですが、芽出し肥の場合はスピードが大事。必ず速効性の化成肥料を与えるようにします。
病害虫の防除
あたたかい春は植物の活動期だけでなく病害虫にとっても活動期になります。それまで土の中に潜んでいた病原菌やさまざまな虫たちが盛んに活動を始めるようになるんですね。とくに新芽を好むアブラムシの発生が徐々に目立ってくるので、他の虫や春先から多発するうどんこ病予防も兼ねて 一度薬剤散布をしておくと安心です。
そして、この時期の薬剤散布はごく薄い濃度で行うのが鉄則。デリケートな新芽に薬害を生じさせないためにも、薬剤のラベルに記載されている希釈濃度のもっとも薄い濃度で薬剤散布をします。薬剤の種類としてはスミチオンやオルトラン、トリフミンなど。
無農薬・オーガニック栽培を最終目標としているわたしとしては極力薬剤を使いたくないところではあるんですが、病害虫がまだ発生していないときに防除の意味で薬剤散布をしておくことこそが今後の薬剤散布を減らしていくために必要なことだったりするんです。いったん病害虫が発生してしまうと、それらをやっつけるために薬剤をローテーションで使い回さなければならないハメになりますし、薬剤散布をしたくないからといって病害虫の防除を怠ってしまうと、結局2倍3倍の薬剤を使用する結果にもなりかねません。
- 薬剤は必要なときにしっかり使って病害虫を防除する。
- そして普段はつるバラをよく観察する。
というのを徹底することが無農薬栽培への近道になると思います。