まずはつるバラの種類を知る!仕立て方に合った品種選びが大事
“つるバラ”とひと口に言っても、つるバラにはいくつかの種類やタイプがあるのを知っていますか?種類やタイプというのはつるバラの品種のことではなくて、つるバラの特徴のことです。
今回は、どの場所にどんなふうに仕立てるかを決める際のポイントとなるつるバラの種類やタイプを一緒に見ていきましょう!
つるバラの種類やタイプの数についてはプロのロザリアンでも人によってさまざまに意見が分かれるところですが、個人的に分かりやすい分け方をしてみるとつぎのような感じになります。
- ランブラーローズ
- クライミングローズ
- シュラブローズ
バラ栽培のプロの方のなかには、ランブラーローズを2タイプに分けたりクライミングローズを系統によってさらに3タイプに分けたりしている場合もありますが、ちょっと個人的に分かりにくいな~と感じたこともあって…。それで自分なりに分かりやすく分けたのが上記の3タイプになります。 それでは順番に見ていきますね!
ランブラーローズ
ノイバラや日本に自生するテリハノイバラなど野バラを祖先とするタイプのつるバラで、枝が地面をはうようにして伸びます。枝は細くしなやかで生育旺盛。品種によっては10~25mにも達するものもあるんですよ。一季咲きで花は中小輪、房咲きで花付きがバツグンな品種が多いのが特徴。
ランブラーローズはつるバラの中でも特につるがよく伸びるものが多いのですが、長く伸びても枝が上に立ち上がるようなことがないので、壁面全体や窓まわりを覆ったり、低く長いフェンスに仕立てるのにも向いています。
わたし一押しのランブラーローズはこれ!
クライミングローズ
枝が上に立ち上がって長く伸びるつるバラで、一般的なつるバラを指します。花は小輪から大輪までさまざま、花色も豊富で、一季咲きのほかに返り咲きや繰り返し咲きの品種があるのが特徴。
クライミングローズは枝が太くてかたく曲げにくいものが多いので、高さと幅のある家の壁面や大型のドームやパーゴラなど、大きく仕立てるのに向いています。
わたし一押しのクライミングローズはこれ!
シュラブローズ
イングリッシュローズやオールドローズの一部に当てはまるタイプで、枝が長く伸びるものの3m前後で程よく伸びが止まる半つる性のコンパクトなつるバラです。花は小輪から大輪まであり、四季咲き性が強くて花形の美しい品種が多いのが特徴。
クライミングローズなどの一般的なつるバラよりもコンパクトに収まる分、広い面積を覆うのは苦手。トレリスやオベリスク、小さめのアーチなどに仕立てるのに向いています。
わたし一押しのシュラブローズはこれ!
もっともーっと素敵なつるバラはたくさんありますが、わたしがお世話中のバラを中心に紹介させていただきました(^^)
いくら気に入ったつるバラだからと言って、「つるバラの種類やタイプ」と「仕立てたい場所や仕立て方」がうまくかみ合わなければやっぱりお見送りするほかない場合も多いです。 わたしも、庭が小さいので泣く泣くあきらめている品種も多いですよ。 (でもそのうちまた求めたくなるかも しれません)
特に失敗しやすいだろうなーと思うのがアーチのつるバラ選び。一般的な家庭用アーチに収まりきらないほどの伸長力をもったつるバラを選んでしまうと、アーチのてっぺんを余裕で越えて枝の行き場がなくなってしまうんですよね。アーチが壁に沿って設置されているものであればそのまま壁面に枝を逃がすことができるんですが、それができない場合は大変なことになってしまうと思われます。
つるバラの品種を選ぶときは本当にウキウキワクワク楽しいものですが、仕立てる場所と仕立て方をあらかじめしっかりイメージしてからつるバラの種類やタイプを選び、そのうえで品種を絞っていくのがいいと思います!