バラの栽培環境に風通しの良い場所がおすすめな理由は?
降らない降らないと思っていた雪がようやくまとまって降るようになり、リビングから見えるバラのアーチにも雪が積もりました。雪はサラッと降る分にはいいものですが、交通機関が乱れるぐらい降るのは大変ですよね…。雪かきした後に除雪車が通ると、置かれた雪をどけるのにまた雪かきをしなければならず、除雪車を恨めしく思ってしまいます。
さて、バラを育てる環境としてよく言われている条件のひとつに、“風通しの良い場所”というのがありますよね。これはもうバラ栽培の常識とも言われているものですが、どうして風通しの良い場所でなければいけないのか深く考えたことのない方も多いと思います。もちろんわたしもそのうちの一人で、「風通しが悪いと蒸れて病害虫が発生しやすくなる」ということぐらいしか思い当たりませんでした。ですが、これにはもっと深い理由があったんです。
今回は、バラの栽培環境、とりわけ風通しの良い場所が最適だと言われる理由についてお伝えしたいと思います。
風通しの良い場所と悪い場所ではバラの生育にどんな差が出る?
風通しの良い場所と悪い場所を比べると、バラの葉に違いが出てきます。風通しの良い場所では、常に葉が風にそよぐため、葉からどんどん水分が蒸発していきます。イメージとしては、自然のドライヤーのようなものですね。そうすると、土の養分を吸い上げるスピードが速くなって、葉の細胞がどんどん作られていきます。風にそよいだ葉は厚みを増して硬く締まるため、病害虫に強くなるというわけです。
バラの害虫として有名なチュウレンジハバチの幼虫を例に挙げると分かりやすいと思いますが、幼虫たちは枝先の柔らかい葉ばかりを狙って食べますよね。硬い葉には見向きもしないんです。なので、風通しが良い環境で硬く締まった葉には、害虫たちも歯が立たないというわけ。
では、逆に風通しの悪い場所ではバラの生育にどんな影響が出るかというと、葉が風にそよぐこともないので水分が蒸発しにくく、養分を吸い上げるスピードが遅くなることで葉が柔らかくなります。運動不足の人があまり食欲が出なくてどんどん体力がなくなっていく…。そんなイメージでしょうか。葉が柔らかくなると害虫にとっては食べやすく弱い葉になるということなので、バラは病害虫の被害を受けやすくなってしまうというわけです。
バラを育てる環境として、どうしても日当たりの良い場所だけに着目しがちですが、バラの葉を健康な状態に保つためにも風通しの良い環境をもっと意識してみるといいかもしれませんね。