紫色のバラは樹勢が弱い?10年ものとは思えない貧相な木立バラ ブルームーン…
青いバラ、厳密に言うと青色に近い色(紫色)のバラは育種や品種改良を重ねた結果生まれた珍しい色のバラで、「繊細」かつ「病気に弱い」というイメージがありますよね。そのため、だいぶ前までは青系のバラは栽培が難しいとされてきました。
また、紫色のバラで特に顕著な特徴としては「樹勢が弱い」ということも挙げられます。樹勢とは読んで字のごとく樹が成長する勢いのことですが、これも以前は当たり前のように青系のバラは成長力が乏しいというイメージでした。
ですが、その樹勢の弱さを克服したという紫色のバラが今回取り上げる木立バラ「ブルームーン」です。
ブルームーンはダマスク香とティー香が混じった上品な香りが特徴のバラで、木立性のものとつる性のものがあります。2013年に前の庭にお迎えしたのは木立性のブルームーンで、オベリスクを支柱として豪華な花を見せていたローズポンパドゥールの手前に色彩のグラデーション効果を狙って植え付けました。
宿根草のタナセタム ジャックポットやツルニチニチソウを添えて、とてもお気に入りの景色となっていました。
この時点では「さすがブルームーン、樹勢の弱さを克服してる!」と感動していたものですが、2年目の冬を越そうとしていたとき、とけ残った雪の重みで枝のほとんどが折れてしまったのです…。雪囲いもろとも無残な状態になったブルームーンを前に、しばし呆然と立ちすくんでしまったのを思い出します。
思えばそれからというもの、このブルームーンは成長が思わしくなく、それこそ樹勢が弱くなってしまったようなのです。著しく生育が止まってしまった我が家のブルームーンですが、その後は特に手をかけたりすることもなく地植えのままただその場に存在していただけでした。もう完全に諦めモードだったんですよね。
その生育不良のブルームーンを掘り上げて今の庭に持ってきたのが3月下旬。不織布のガーデンバッグに植え付けたものをそのまま地植えにしていたので、掘り上げる作業は力こそ必要だったものの案外スムーズにできました。ガーデンバッグなしで地植えしていたらこんなに簡単に今の庭に持ってくることはできなかったでしょう。
↓そしてその問題のブルームーンがこちらです。(はい、ピントも合っていなければ背景と同化してかなり見づらいですね!)
ひょろっとした枝が1本だけ立っていて、そこからやっと枝が分岐しています。分岐した枝も1本は完全に枯れていました。この瀕死状態のなか芽吹いてきたのが本当にびっくりです。
紫色のバラ=「繊細」「病気に弱い」「樹勢が弱い」というのは本当だと思いますが、これだけ貧相な状態でも枯れずに長年生き続けているブルームーンが「丈夫で育てやすい」というのも本当だと改めて実感しています。全く手入れも何もしていない状態でもこうして生きようとしてくれているのですから。
そうそう、つい最近訪れたバラ園で木立性のブルームーンを見つけました。他の品種のバラたちが太く大きな枝を元気に広げているなか、手前に植え付けられていた2株のブルームーンはなんともこじんまりとした姿です。
他の品種(青系以外のバラたち)の樹勢と比べるとやはり弱いな…ということが分かりますよね。それでも紫色のバラのなかでは樹勢が強いというブルームーン。我が家のブルームーンもこちらのバラ園の株のように元気になってくれる日が訪れるといいのですが…。