鉢植えバラの水やりを忘れてバラがしおれてしまったときの応急処置
ある暑い暑い夏の夜のこと。夜の間、ずーっと雨が降っていて明け方にようやく雨が止んだ場合、その日のバラの水やりはどうしますか?今回は、かつてわたしが失敗してしまった体験談を交えながら、鉢植えバラの水やりを忘れてバラをしおれさせてしまったときの対処方法についてお話ししようと思います。
さて、先ほどの条件の場合、翌日になってあなたはバラに水やりをしますか?夜中ずっと雨が降り続いていたのですから、翌朝になっても当然鉢の土は十分湿っているはずです。こんなとき、わたしの場合、「ラッキー♪」と天に感謝しながら水やりという面倒な作業から開放された喜びでその日一日、何か得した気分になってしまいます。そして、お天気が良くなったのをいいことに子どもたちとどこかお出かけしたくなったりするんですね。
普段家にいるときは一日に何度か庭に出てバラや宿根草の様子を見たり雑草取りをしたりしているのですが、一旦お出かけしてしまうとその間庭の様子を観察することができないのでそのまた次の日になってから慌てふためくことがあるんです。昨夜、一晩中雨が降り続いていたので翌日の水やりはしなくてもOK!と安心して出かけたはずなのに、次の日になって見てみるとなぜか鉢植えのバラたちがしおれてしまっている…!どうして!?そのときのわたしの頭の中は“?”だらけでいっぱいでした。
実はこれにはこんな思い込みが働いていたんです。“雨が降った=水やりをした”という思い込みです。生育期のバラは水をたくさん必要とします。 そしてそれが夏場であればなおさらですね。ですが、わたしは一晩雨が降っていたというそのことだけで翌日の水やりは不要と判断してしまっていたんです。
確かに、雨が降った夜の次の朝は水やり不要です。ですが、雨の降り方や勢いによっては株元にしっかり雨が当たらなかったり葉が生い茂っている部分は十分に土が湿っていない場合もあるんですよね。大きな木の下に雨宿りした経験のある方なら分かると思いますが、木の真下、つまり株元には全然雨が当たらないこともあるんです。それがバラにも当てはまることを想像さえしていなかったわたしは、雨が降ったからという事実だけを見てその日一日の水やりをサボってしまったというわけです。
しおれかけている鉢植えバラたちにわたしはすぐに水を与えました。そして、その後の対処方法について愛読書であるバラ栽培の教科書ですぐに確認したんです。そしてなんとか事なきを得てしおれたバラを回復させることができました。
一体どういう応急処置をして鉢植えバラを復活させたかと言うと、とりあえず水を吸収できるところから水を吸い上げさせたということ。根から吸水させるためにジョウロを使って十分すぎるぐらいの水を与え、葉からの蒸散を防ぐために葉の表裏にまんべんなく水をかけて濡らします。持ち上げることのできるような小型の鉢の場合は、鉢がすっぽり入る大きさの容器に水を張って鉢ごと水に浸すのが一番効果がある方法です。
そのあと、吸水させた水の蒸散を防ぐために鉢を風の当たらない日陰に置いたり、移動できない場合は“よしず”などで日陰を作ってあげます。それほど重症でない状態だとこれでしおれたバラも回復するはずですが、気づくのが遅かったりして間に合わなかった場合はバラの樹高を1/2ほどに切り詰めて葉からの蒸散を減らす必要があります。やむなく枝を切り詰めた場合は、これまでよりも水やりを少なめに行うようにします。
鉢植えでバラを栽培している場合、水やりの失敗はどうしてもつきものです。とくに夏場はちょっとした判断ミスが鉢植えバラの生死を分けることにも…。そんなときにバラ栽培の教科書を一冊愛読書として用意していればそれほど慌てふためくことなく対処できますし、何より安心です。トラブルが発生したときの応急処置は心肺蘇生や人工呼吸のように頭で知っているだけではなかなかすぐに実践することができませんが、参考となるマニュアルがあれば見よう見まねで実践することができます。頼れるバラ栽培本を一冊持っておくとあなたのバラ栽培スキルも確実に上達していくはずですよ。
▼ちなみにわたしの愛読書はこちら
>>『バラを美しく咲かせる とっておきの栽培テクニック』